こんにちは。斉藤和と言えば、風景の絵のイメージが強いですが、今日は斉藤和の描いた動物たちをご紹介したいと思います。
たんぽぽプロジェクト企画室のたんぽぽです。日本画家 斉藤和の応援ブログです。
斉藤和のTwitterはこちら。 http://Twitter.com/saitoukazu
斉藤和は、若い頃はねこと、今はいぬと一緒に暮らしています。
『花まくら』
『花まくら』
題名の『花まくら』とあるように、お花を枕にしてくつろいでいます。いぬの花まくらはカサブランカで、ねこの花まくらは牡丹で描かれています。
動物の絵を描くとき、毛並みの向きや表情を丹念に写生を重ねて描きこみます。絵を見る時、やはり毛並みが見ごたえがあります。
そのねこが元気だった頃に描かれた作品をご紹介します。
『傍らに』
ポストカードにもなっているこの絵は、幸せそうな寝顔が描かれたねこが主役の絵です。しかし、斉藤和若かりし頃のアトリエとしていた部屋の様子も描かれていて、畳を表現する細かい線や、本やお猿の太鼓叩きの足やゼンマイが見えていたりします。絵具のお皿があちらにあるということは、少し席を立った時座っていた場所を取られてしまったんでしょう^^ 想像して見てみるととても楽しい作品です。
そして、この絵の中で描かれている絵がありますが、これは本当にその当時描かれていた作品だそうです。探してみました。
見つけました!
『夏日(かじつ)』
冷やされている桃と、川に流れる青紅葉が合わさり夏の涼しさが感じられます。その川の端で大きな石に座り、水の中に足をつけている人が見えてくるようです。この作品たちは、三十年近く前の絵になるのですが、斉藤和の優しさや細やかさや美しさの原点が見える気がします。
『游』二つとも
この二つの作品は同じ題名で、栗の木で遊び寝転ぶ、りすとねこです。
上の絵は木に栗の実が描かれていますが、一つ空になった栗のイガが残っています。りすは、転がっていった栗の実を追いかけてるのかもしれません。
下の絵は、寝転がったねこから秋の日の陽気でのどかな様子が感じられます。
『探(たん)』
ヤギがオリーブの葉の中から、覗いています。誰か探してるのでしょうか。
若かりし日の頃の絵も多くご紹介しましたが、色目が今よりも落ち着いてしっとりとしてみえます。
日本画に使われる絵具の岩絵具は高価なため、若い頃は大胆には使えなかったそうです。斉藤和はその分、線の美しさと力強さや、余白の空間認識を学ぶいい時間だったと振り返ります。
❀雑学メモ❀ 岩絵具は、天然素材である鉱石を砕いて作られます。
膠(にかわ)という接着の用をするものと、その細かく砕いた鉱石を指で混ぜながら練ると岩絵具となります。
素材が持つ自然な美しい色、そして素材が粒子のため色は混ざらず、重ね塗りによって多彩な色彩が生まれ、日本画の多様な色彩の表現につながっています。また同じ鉱石でも、粒子の大きさや手間でも色合いが変化したり、色によっては質感や見る角度によって粒子に当たる光の加減で変化したりもします。奥深いですね。
『視』
80号大体145×112㎝のとても大きな作品で、お寺の門柱の礎石の前に寝そべっています。お寺だけど神社の狛犬のような役割をしているような凛とした顔です。毛並みが細かく描かれこの大きさの絵とは思えません。大きく描かれた猫はとても迫力があり、見つめるさきは遠く遠く遥か先の何か違う世界があるように感じられます。この作品は、まだアトリエにあり大きさゆえ発表する機会がとても少ないです。また皆さんに見て頂きたいものです。
また違った斉藤和を日本画を感じてもらえたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。。
今日も素敵な一日になりますように。。。